2010年10月31日日曜日

いつもの場所で

大好きな地元の「ビストロ・サンルスー」で久しぶりの外ごはん。会社設立の小さなお祝いということで、夫がごちそうしてくれた。わーい。いつもてきぱきトークと笑顔が素敵なマダム、智恵美さんと。「サンルスー」は「sans le sou」と書き、フランス語で「一文無し」という意味だそう。英語だとwithout a pennyみたいな感じでしょうか。「いつもゼロからのスタート」という覚悟みたいなものが感じられる、いい名前だなーと思います。私もゼロからのスタートのつもりです。先輩を見習ってがんばるぞー。

デザートの栗のプティポのお皿にチョコレートで「Bon Chance!」のメッセージ。ありがとうございます。夫の方のお皿には、結婚13周年も一緒にお祝いだー!のメッセージ。記念日当日は出張中でいなかったからね。金子シェフ、いつもありがとうございます!
10月も今日で終わり。人生の節目に訪れるレストランがあるというのも、幸せのひとつだなぁ。今夜もごちそうさまでした!

Wonderful Tonight in Red

今月初めからカラーワークス パレットビルで開催中の「森瑤子 再会に乾杯」(詳細はコチラコチラを)のファイナルパーティ「バロックの夕べ」が、金曜の夜に行われました。

ドレスコードは「何か赤いものを身につけて」。全身に赤をちりばめている人、ストールやネクタイやバッグだけ赤の人、赤い花を胸元に飾っている人など、会場は思い思いのdressed in redのゲストでいっぱいです。

テーブルフラワーも赤、ふるまわれたワインも赤。イチジクとカシス、ザクロなど赤い果実の香りを漂わせるJo Maloneのフレグランスキャンドル、そして赤い炎。五感に訴えかける、さまざまな赤。
ヘザーさんのスピーチと乾杯のあと、映画監督・永田琴さんによる森瑤子さんのエッセイの朗読、インタビュー、お好きだったというハープの生演奏が続き、ヘザーさんいわく「まるで今にも母がワイングラスをふたつ手にしてひょっこりと『再会に乾杯しましょうよ』と現れるような気がします」(←記憶で書いているので正確ではありませんが、会場に展示されているヘザーさんのエッセイ、とってもよかったのです)。

主催者のカラーワークス秋山秀樹さん・千恵美さんご夫妻と、FARROW&BALL国際販売部長のJohn Brothersさん。バックに写っているのは、新作のウォールペーパー、その名も「Baroque」。秋山社長のネクタイにもご注目ください。大勢のゲストの中には友人や久しぶりにうれしい再会を果たせた先輩もいて、楽しい夜を過ごさせていただきました。

最後にヘザーさんを囲んで記念撮影。Johnさんに「ヤンキー座り」という悪い日本語を教えたのは私。このお部屋、もうあと11月6日までしか見られません! まだの方はぜひともお出かけください。

2010年10月27日水曜日

旅する乙女

今、ユーラシア横断の旅の途上にある若い友人がいます。

出発の少し前、わが家で行った彼女の壮行会の際、予定している旅のルートを聞けばすぐ頭に浮かぶ、あの「深夜特急」を知らないというので、家にあった古い文庫本を全巻「旅の途中で読んで!」と渡しました。
沢木耕太郎さんが、後の若者に大きな影響を与えることになった長い旅に出たのは26歳のとき。十分若いけれど、数年間の社会経験で自分の立ち位置くらいはわかるようになった、その微妙な年代が、こういう「酔狂なこと」をする最後のタイミングかなとなんとなく思った、といったような内容のことが書いてあり、私がこの本を手にとったのは27歳のときだったのですが、「実にそうだ!」と思ったのを覚えています。当時の私も、自分の仕事やプライベートの、途上のいろんなことを、いったんチャラにして、どうしても何か別のものを見に行きたくなっていたのでした。1年間イギリスに勉強に行くことくらい、誰でもできることではあるけれど、当時の自分にとってはやはりそれなりの決心でした。一人暮らししていて、お給料少なかったのに、よく1年で200万もお金貯められたなぁと思うもんね。

1年間かけて世界を巡ろうとしている彼女の思いも、だからなんとなくわかるのです。帰ってきたら、新しい世界の見え方になるよ、きっと。「借りてよかったです。今読むと、ダイレクトに感じるところがあります」と、ときどきくれるメールに書いてありました。

彼女の旅の記録はコチラ。安全な旅路を祈ります。がんばれナガサカ!

2010年10月26日火曜日

番外編・わんわんコレクション/トスカーナ報告7

農場の近くの民家の2階、テラスのアーチ形の窓から、物静かに外を眺めているドーベルマン。
妙に気になって10分後にもう一度見てみると、まだ端然と視線を据えて何かを待っていました。
フィレンツェの通りの店先にいた小さなフレンチブル。
週末の朝市の会場にいたこの子、ちょっと「ダーシェンカ」が入っていませんか?
ないしょ話してるんだね。おばあさんが連れていたチワワ2匹。
どこを旅しても、犬に目が行ってしまいます。そして2週間ぶりに愛犬と再会。無事に帰ったよ、はな。

City Walking/トスカーナ報告6

フィレンツェは歩いて回れる比較的小さな街だと聞いていました。観光名所や美術館にも行ってみたけれど、週末だったので人気スポットには長い行列が…。なのでそれは次回のお楽しみにして、ほとんどバスも使わず、ホテルでもらった地図を頼りに、ただ気ままに歩き回った2日間でした。建物と建物がせめぎあった道の間に、細長い空がのぞくこういう風景、イタリアらしいですね。「街じゅうがギャラリー」という言葉、まさに真実でした。ダヴィデ像は、いつもこんな風景を見ているんだね。
小さな通りにある革製品のお店に入ると、奥が工房になった店主兼職人さんの個人ショップでした。ちょうど仕事の手が空いていたようで、いろいろ仕事のお話が聞けて楽しかった。作業もちょっと見せてくれました。話好きの革職人のPaoloさん、聞いてみると日本のデパートやステイショナリーショップとも取引があるそうです。話しただけでは悪いので、ワインやオリーブオイルのラベルをライナーに使った小さな革トレイをおみやげに買おうとしたら、「裏に名前入れてあげるから、夕方にまた来て!それまでにやっておくからね」と。

Paoloさんのスウェーデン出身のガールフレンド、Anita Matellさんもアーティストで、こんな可愛いポスターが展示してありました。ウェブサイトのイラストも彼女の手になるものだそう。自分と夫の分をお願いしました。可愛いです。Anitaさんが作った革の端切れのロボット人形もつけてくれました。
Paolo Carandiniさんのウェブサイトはコチラです。

ポンテベッキオのジュエリーショップで、大好きな色のクォーツのリングを見つけ、名刺に使っているブルーと同じ色だと思ったら、どうしても欲しくなってしまいました。じーっと見ていると、お店の女性が「これ、あなたの色だと思う。値引きしてあげるから買いなさい」と、頼んでないのにディスカウントしてくれた。Cristinaさん、2つとも買ったらびっくりしてたけど、親切な人だった。久しぶりにジュエリー買っちゃったなぁ。
日が暮れる頃、例のシャトルバスに乗ってホテルへ戻ります。
堪能しました。ありがとうイタリア!PS
As requested, I provide a brief English translation below:

I had heard that Florence is good size to walk around. As it was my first visit there, it might have been a good idea to go to famous sightseeing spots and museums; but there were long queues everywhere because it was weekend. So I decided to just walk around the city as I liked and to drop in at wherever I liked, without catching a bus.

This kind of narrow and long sky often seen between old buildings seems me very Italian.

You can find a lot of museum pieces in this city, even if you are not in a museum.

Hey David, you are always looking at such beautiful scenery…

I found a fascinating leather shop on the street. It is also a workshop of a craftsman, working there.

The craftsman Mr Paolo Carandini is such a friendly person; I enjoyed talking with him about his work, his business in Japan, wine and olive oil in Tuscany, and so on.

I wanted to buy a couple of lovely small parchment trays and asked him to have them. He kindly proposed that he should engrave my name and my husband’s on the side of the trays, saying “If you can come back this afternoon, I’ll do it for you by then”. I was so happy because it would be such great souvenir, wouldn’t it?

His Swedish girlfriend Ms Anita Matell is also an artist: I liked the beautiful poster on the wall, which she designs. We can find her design on his website as well.

The trays at home. Paolo gave me this pretty robot doll made by Anita when I came back to his workshop in the afternoon.

Paolo’s website is here.

(…then some stories continue about the blue quartz rings I bought at a jewelry shop near Ponte Vecchio, the shop-clerk Cristina kindly discounted the prices, the rings' colors are the same as my businescard’s…and so on…)

I really enjoy the day. Grazie, Italia!

2010年10月25日月曜日

ニュース速報

さて、トスカーナ出張報告の途中ですが、ここでお知らせがあります。本日10月25日、VIVSTUDIOという名前の会社を設立いたしました。
まもなく独立して1年になりますが、やりたいことがいろいろ増えてきたのと、そのためにも会社組織にしたほうが、より良い仕事ができると判断した結果です。

会社スタートに際し、ホームページも大幅にリニューアル。以前のものより少し大人っぽく、シンプルなデザインにバージョンアップしました。新コーナーもありますので、よかったらご覧になってみてください。(→コチラへ!)

これからも人に喜んでもらえるコンテンツを心をこめて作っていきますので、改めまして、どうぞよろしくお願いいたします。

VIVSTUDIO代表 田村敦子

2010年10月24日日曜日

Beautiful Weekend/トスカーナ報告5

取材終了後、ミラノへ戻るマルコにフィレンツェまで同乗させてもらい、直径20cm近くある特大のパニーニ(完食!)で再会を誓って別れました。さて、2日間のフリータイム。フィレンツェの休日です。

日本から宿泊予約し、夕方到着したのは、中心街から少し離れたところにある、アルノ川沿いのこんなホテル。市内観光には中心街に宿を取るのがいいのは当然なのですが、なんとなく、観光するよりのんびりしたいと思ったので。窓からはこんな景色が見えます。
なかなかいい感じだ。
外壁が、空に似合うきれいな色で塗り分けられているのも好み。壁のイエローと水面の配色が、わが家のリビングの2色に似てる(現実的な連想で申し訳ない)。フィレンツェへは、無料のシャトルバスで送迎してくれるシステム。戻りの最終バスは午後7時30分発なので、宿泊客は8時にはほとんどホテルに帰ってきています(別に、タクシーで帰ってきてもいいんですけどね)。この、マイクロバスでホテルの人が迎えに来るところ、宿でごはんを食べるというところがほほえましく、一人旅の身にはほっとする感じでよかった。ちょっと日本の温泉宿的?一人で考え事をしながら夕食の前菜とパスタを食べていると、「シニョーラ、楽しんでるか?もっとワイン飲んで。これ、僕から」と、ウェイターのおじさんに白ワインをなみなみと注がれました。赤ワイン用の大きなグラスに半分近く。これ通常の3杯分?朝食の席で、とても感じのよいアメリカ人カップルに「お一人ですか?一緒のテーブルで食べない?」と声をかけていただき、最後の夜は近所のレストランでディナーを一緒に。このクランプ夫妻は、仕事の都合でアメリカとインドに分かれて住んでいて、お互いの出張のたびにいつも世界のどこかで待ち合わせをし、1週間ほどの休暇を一緒に取ってのんびり過ごすのだそう。「いつもハネムーンみたいで、これもまたいいよ」と。とにかくすごーく仲がいい。
素敵なホテルのおかげで、すっかりくつろげたフリータイム。ゲストも働く人もにこにこと穏やかに楽しそうでした。エントランスに通じるアプローチに、小さな噴水があったのですが、近づいて見てみたら、この天使までこんなにうれしそうな表情を浮かべていました。のんびり滞在したい人にはおすすめかも。興味があればこちらを!


Here I have translated the above into English as requested:

After all the work had been done, the photographer Marco took me to Florence on his returning way home in Milano. Just before reaching Florence we stopped and had huge Panini(about 20cm) and cheers for our reunion. Now my three-and-a-half-day free time, ‘Tuscan Holidays’ began! Hurray!

The hotel I stayed is located near the river Alno, 20 minutes bus ride from Central Florence. An Italian friend of mine had recommended me another hotel in the center of the city, but I felt like being relaxed rather than being busy for sightseeing.

I was so lucky because the hotel was splendid and I really loved the atmosphere and taste, interior & exterior design…and everything.

I took their shuttle bus to the city every morning and back to the hotel every evening for three days; the last return bus leaves Florence quite early on 7:30PM. As I was a sole traveler I preferred to have dinner at the restaurant of the hotel. It was nice to see the same members there at 8:00PM for three nights(they are the guests who like to come back early and to enjoy dinner feeling at home just like me). It reminded me of Japanese traditional ‘Onsen’ hotel style.

When I enjoyed my pasta dinner a friendly sommelier said ‘Signora, drink more wine, this is from me’ and poured another big glass of white wine in a big glass for red wine. I thought this was about 3 times of ordinary portion.

At the breakfast table next morning I met a lovely couple from USA. The lady, Tess, kindly invited me to their table and her husband Tracy talked to me in good Japanese. Mr and Mrs Crump often travel together all over the world, or in other words, they often meet somewhere in the world because they live separately in USA and India due to their job. This was their Tuscan Holidays after their works had been done. “Always like honeymoon,” they smiled. They are ever such sweet people and we had a lovely dinner that night.

I totally enjoyed my free time thanks to people I met during the holidays. Guests, staffs, drivers…everybody was always smiling and looked happy.

There is a small fountain in the center of the entrance approach to the hotel; I watched the statue closer and found the angel was smiling his big and happy smile as well.

Wonderfully relaxing hotel. See the website if you like!

Lovely People/トスカーナ報告4

最終日、美しい夕焼けが空を染めた十数分間がありました。その日の仕事が終了し、アテンドしてくださっていたナオミさんが「ワインでも飲みますか?」とグラスに注いでくれたのですが、マルコさん「夕陽を撮影してきたいから」とそのワインを一気飲み。私もあとを追いかけました(もちろん一気飲みして)。
「こういう空、大好きなんだよなぁ」と何度もシャッターを切るマルコ(以下、友情を込めて敬称略)。ほとんどこんな姿勢。プールの脇で撮影していたら、さっきの猫が通りかかりました。「何?アタシ?」ピンボケでよく見えませんが、厨房で働くこの男性の愛用Tシャツの背中には「Serial Griller」の文字が。シリアル・キラーをもじった「連続肉焼人」みたいな意味? その通り、見ているとおいしそうな厚切りの肉を何枚も何枚も焼いています。ミディアムレアに焼きあがった肉に、ポルチーニのソースをかけて。
その彼が作った料理をマルコがまた撮影中。「そんなに誌面に載せられないし、十分撮ったからもう大丈夫だよ」と言っても、「おいしそうだから」と言ってまたこんなポーズで撮影(このとき私はレフ板を持っていました)。ありがとう、マルコ。

私の仕事はインタビューと取材だったので、会う人みんなを写真におさめることはできませんでしたが、本当に素敵な人ばかりでした。

温かく迎えてくださった、オーナー一家のみなさん。前列左が、このファームの経営者であるFayeさんです。右が妹のNathalieさん、その後ろがお父さんのMarinoさん、後列左は農家のリノベーションを担当した建築家の叔父のGiuseppeさん。取材進行を大きくサポートしてくれたスタッフ、ナオミ・ブラッキンさん。そう、ヘザー・ブラッキンさんの妹さんです。イタリア語・英語・日本語を流暢に操るトリリンガルで、ワインの知識も豊富。本当に忙しそうなのに、いつもニコニコ、てきぱきと仕事をこなしてくれる気持ちのよい女性でした。おまけ。フェイさんとナオミさんのお嬢さんたち。一緒にごはんを食べに行きましたが、にぎやかで楽しいこと。左からAnyaちゃん、Sashaちゃん、Gaiaちゃん、Charlotteちゃん。AnyaちゃんとGaiaちゃんがナオミさんのお嬢さんで、CharlotteちゃんとSashaちゃんがFayeさんのお嬢さんですが、Anya&Sasha、Charlotte&Gaiaで組になって遊ぶのが習慣なんだそうです。なんだか、姉妹がたくさんいるみたいで、いいね。

みなさん本当に、ありがとうございました。Grazie mille!