到着の翌日は、ヴィットーリアおばあちゃんのお料理教室から取材スタート。まず菜園へ、ほうれん草、ねぎ、イタリアンパセリ、セージなどを摘みに行きます。収穫完了! 元気なセージの香り、大好き。キッチンでは、ヴィットーリアさんがお待ちかね。このお料理教室では、講義をしたり、レシピの紙が配られたりはしません。言葉もイタリア語オンリー。でも、ヴィットーリアさんの手ぶりと、「やってみて!」のジェスチャーに従えば、参加者は手順をきちんと覚えられるようになっています。
午前中から始まり(みんなで白ワイン飲みながらやるんですよ)、お昼過ぎには、ヴィットーリアさんがお母さんから習ったという家庭料理が、何品もテーブルに並びます。その中から1品だけ、素敵なパスタの作り方を追ってみました。
まずは生地作り。大きなボードに小麦粉をあけ、卵を割り落としてオリーブオイルをひとたらし。手で混ぜていきます。かたさは手と目で覚えるのが一番だそう。こまめに粉を足しながら調節し、まとまったらさらにぐいぐいと力を入れてこねてのばして、パスタマシンへ。さらに薄くのばします。その間にリコッタチーズとゆでたほうれん草のみじん切りを混ぜたフィリングを作っておきます。生地にフィリングを等間隔にのせて、折りたたんでカットすれば、ラビオリに。ゆで上がりに、たっぷりのセージをかりかりに炒めたバターソースをかけ、土地の名産チーズ、ペコリーノ・トスカーノをたっぷり削りおろして完成です。
このメニュー、もう10年も前にシドニーでやはりフードの取材をしたときに、イタリアから移住したという取材先の奥様が作っていたのを思い出します。この地方のご出身だったのかな…と思ったりしました。
スピナッチリコッタ入りラビオリのセージバターソース。思いがけず再会した、おいしいひと皿でした。
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